2018年11月28日水曜日

[review]夢眠ねむ 「夢眠時代」



魔法少女はループする


2018年9月21日、夢眠ねむ1stソロアルバム「夢眠時代」のリリースがアナウンスされ、そして俺は発狂した。
ずーーーーーと夢想してたことではあったけれど、まさかこのタイミングで現実になるとは思わなかったのです。




ぎゃあぎゃあ興奮してアレヤコレヤと妄想してわくわくしてこの記事書き起こそうとして
諸事情で止まってて、あっという間に迎えた2018年10月13日。


そりゃね。
頭は真っ白になったけれど、すとんと落ちるものがあったんですよね。
このタイミングでの「10周年集大成ソロアルバムをリリースする意味」というのも理解した。
それはねむきゅんが散々「冗談混じりで婚活宣言」したりとかたぬきゅんとか夢眠書店とか、
今後の人生設計を小出しにしつつ「わたし、そんなに長くないよ?フラグ」を醸しまくってたのもあるし、
「もうそろそろだよね」「覚悟はしておこう」てのは、ユメミストの共通認識であったかと思うんですが・・・・
でんぱが7人体制で軌道に乗ってきた感があったので、ちょっと油断してた。
でも、ついに来てしまったのだ。ああ・・・。




ねむきゅんに関する色々は語り尽くせないけれど、それはそれででんぱ卒業か芸能活動引退か、
どちらかのタイミングで別エントリ設けるとして、この記事ではアルバムのレビューに徹したいと思います。

お、おはよう世界きゅん。



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夢眠ねむ、最初で最後のソロアルバム「夢眠時代」。
ねむきゅんが2008年に芸能活動を開始して10周年を記念するアルバムであり、
「ポップアイコン・夢眠ねむの音楽面での集大成的1枚」。

トラックリスト。
夢眠ねむ「夢眠時代」
1. 魔法少女☆未満
2.ユメミる惑星
3.コズミックメロンソーダマジックラブ
4.あのね・・・実はわたし、夢眠ねむなんだ・・・♡
5.あるいは夢眠ねむという概念へのサクシード
6.ナイフ
7.あたしの最後のラブソング
8.おやすみ世界きゅん。
9.蛍の光(PandaBoY REMIX feat. 夢眠ねむ)2018
10.魔法少女☆未満2018

一聴して驚いたのは、とてもまとまりのあるアルバムだということ。
でんぱがまだブレイクしていない頃のソロシングル曲やでんぱ組.inc本体でのソロ曲、
ボカロ「夢眠ネム」用の曲や新曲群など、時代も背景もバラバラの楽曲ばっかりだから、
いわゆるコンピ盤的作品になるのかと思いきやトータルでアルバムとして、作品としてキレイに成り立っている。
曲順も含め、よく練られているし、序盤5曲に関してはストーリーが見えてくるかのようです。
さすがプロデューサー気質のねむきゅんが手がけただけあるなと感心。

2010年リリースのソロデビューシングル「魔法少女☆未満」から5曲目・MOSAIC.WAV&ボカロ夢眠ネムとのコラボ
「あるいは夢眠ねむという概念へのサクシード」までの流れはもうこれ以上はないというハマり具合。
妄想趣味の魔法少女未満女子が、ついに概念にまで昇華してしまう、ねむきゅん自身が作り上げた
「アートとしての夢眠ねむの物語の完結」が、鮮やかに描かれている。
特にボカロ「夢眠ネム」に関しては、ねむきゅん自身が「夢眠ねむ襲名制」というフラグの回収と発言しており
(でんぱ加入前の根本凪が2代目夢眠ねむか?なんて騒がれた時期もあったけど)、この「サクシード」で綺麗に「後を託した」んだと感じる。

6曲目から8曲目はスネオヘアー、坂口喜咲、tofubeatsが手掛けたこのアルバム用の新曲で、
特に仲が良い友人の一人である坂口喜咲が書いた「あたしの最後のラブソング」、
Maltineからのリリースを通じて交流のあったtofubeatsによる「おやすみ世界きゅん。」は、
夢眠ねむの「中の人」のパーソナルな部分が透けて見えるような仕上がりになっている。
「夢眠ねむ」を託して、そして「ねむ」ではない自分をちらちらりと見せていく。

9曲目、どっからどう聴いてもラストソングでしかないと「ホタヒカ」こと「蛍の光(PandaBoY REMIX)」
で終幕かと思いきや、再び2018年新録Version「魔法少女☆未満」をぶっこんでくるあたり、
「永遠の魔法少女☆未満」としての心意気を感じた。

魔法少女はループする。





アルバムトレイラー。




それでは1曲づつ簡単な解説を。


1.魔法少女☆未満
2010年8月16日にMaltine Recordsよりリリースされたソロ1stシングル。
ねむきゅんの代名詞的楽曲であり、でんぱ組.incでの自己紹介
「永遠の魔法少女 \みまーん/!ねむきゅんこと夢眠ねむです」はこの曲が元。
(それまではでんぱ組のでっかい幼女とか言ってた)



2.ユメミる惑星
「魔法少女☆未満」の次に出るはずだったが、お蔵入りになっていた曲を掘り起こしで収録。
アニソン/電波ソング界隈の著名作曲家/ギタリスト・小池雅也による作曲。Future Diverを書いたのもこのお方です。
ほとんどのファンが聞いたことのない曲ですが、なんでお蔵入りに?て思うほどに素晴らしい。
きっちり3分数えればあたし無敵のヒロイン!


3.コズミックメロンソーダマジックラブ
2012年末に開催された同名の個展のために作成された楽曲で、ソロ2ndシングル。
作詞作曲はPandaBoYで、作詞にはねむきゅん自身も参加。
1000枚限定で会場のみで販売。個人的には未満よりずっとずっと好きです。
数年前に初めて生で聴いた時は感激した・・・。

neetskillsさんによる秀逸なRemix音源。



4.あのね...実はわたし、夢眠ねむなんだ...♡
でんぱ組.inc、2014年リリースのシングル「サクラあっぱれーしょん」メンバー盤というものがあり、
6人のメンバーのソロ曲が収録されていましたが、そのうちの「夢眠ねむ盤」に収録されてた楽曲。
提供したのはかねてよりねむきゅん自身がファンと公言してた天才・清竜人。本人リクエストだったみたい。
この曲をきっかけにでんぱ名義の「Dear☆Stageへようこそ♡」などの提供に繋がったとか。
魔法少女がさらにセクシーポリティシャン&ラブリーテクニシャンに進化。
「あのねむ」と呼んでたのは俺だけだろうか。



5.あるいは夢眠ねむという概念へのサクシード
2017年7月にリリースされた「VOCALOID夢眠ネム」に収録。
MOSAIC.WAVによる提供曲で、人間(ねむ)とボカロ(ネム) のデュエットという形態を取っている。
個人的にはボカロの無機質な声があんまり好きじゃないので、「VOCALOID夢眠ネム」は
それほどのお気に入りにはならなかったんですけど、この曲は人間(ねむ)の声パートが入ってるし、
スーパーなアンセム感もあるので、好んで聴いてました。
「夢眠祭」でもMOSAIC.WAVとの共演で披露。



6.ナイフ
ねむきゅん&実姉・Maaがともにファンだったというスネオヘアーによる提供曲。
ねむ自身が「世界一好きでこの10年間を支えてくれた曲」と公言している、スネオヘアーの曲「フォーク」へのアンサーソング的モードで仕上げられており、ダウナーな情感が込められたエモーショナルなミドルチューン。


7.あたしの最後のラブソング
ねむきゅんの親しい友人の一人である坂口喜咲(ex.HAPPY BIRTHDAY)の提供曲。
ねむ曰く「私に急に別れを告げられたと思っているファンの人へのラブレター」。
色々な意味で取れると思うんだけど、ファンに向けて、ってことを噛み締めながら聞くとめっちゃ泣けます。
「夜中のアイス」と「水曜日」というワードを盛り込んだのはねむきゅんからのリクエスト。



8.おやすみ世界きゅん。
「魔法少女☆未満」リリース時期にtofubeats含むMaltine Records界隈の面々とよく遊んでたというねむきゅん。
ファミレスで売れるかどうか不安がってた頃「いつかトーフに曲を書いてもらおう」と話していて、実現したのがこの曲とのこと。
6年越しくらいだろうか?当時はtofubeatsもまだ10代だったはず。
「いつか夢を叶える夢を見たよ 想像もできないような でっかいステージの上 
 光を浴びて 踊っていた」というフレーズが、現実になったよね。って感極まる。
tofubeatsの代表曲である「水星」に近しい匂いを感じる曲だと思う。


9.蛍の光(PandaBoY REMIX feat.夢眠ねむ)2018
2013年の企画盤「妄想科学デパート AKIBANOISE presents ホタヒカ〜まだ帰りたくない、蛍の光〜」
に収録されていた通称「ホタヒカ」をちょっとセリフを変えて新録。


10.魔法少女☆未満 2018
1曲目「魔法少女☆未満」の2018年新録Version。
レビュにも書いたけど、ここでまたこの曲に戻るという構成が素晴らしい。


初回盤付属DVDには2017年7月16日にラフォーレミュージアム原宿にて行われた
ねむきゅん生誕祭「自作自演のHappy Birthday」ライヴの模様が収録されております。
トラックリストは
1.あのね・・・実はわたし、夢眠ねむなんだ・・・♡
2.シリカゲルでも吸いきれない夏がある
3.安全運転❤ムジ娘ちゃん
4.カナリアのいっぽ
5.コズミックメロンソーダマジックラブ
6. あるいは夢眠ねむという概念へのサクシード
7.魔法少女☆未満
8.蛍の光(PandaBoY REMIX feat.夢眠ねむ)

生誕祭であり、「VOCALOID夢眠ネム」のリリパという側面も強いかと。
でんぱからりさちー、ピンキーも出演。






ナタリーさんによるねむきゅんインタビューです。めっちゃ濃厚!
脱退・引退に関することやでんぱメンバーへの思い、そして今後のこと。
そしてアルバム「夢眠時代」の本人による詳しい解説まで。必読。



さらに2018年11月4日に開催された「夢眠祭」前夜祭「カオスフェス」の様子。
こっちも行けばよかった。あんかけ炊炒飯とホリデイ聴きたかった。


で、本祭。2018年11月22日に新木場STUDIO COASTで開催された「夢眠祭」の様子。
行ってきましたが4時間半!足腰が死にましたがねむきゅんたくさん見れたし、
まさかのでんぱ組.inc出てきたりでとても楽しげでした。狂気の写真111枚。
まとまったねむきゅんソロパートがあると思ったのに、なかったのが残念だった・・・。



でんぱ組.inc、夢眠ねむ卒業公演は2019年1月7日、日本武道館にて。
秋葉原では卒業はおめでとうですからね。




アナログ!・・・が出る!



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