2019年1月29日火曜日

[clip] 中村佳穂 - きっとね!



2018年暮れの年間ベストアルバムツイートラッシュをぼけーっと眺めていると、あることに気づいた。
一部のアルバムにめちゃくちゃ人気が集中している・・・!特に邦楽は顕著だった。
とにかくだいたいのランキングに入ってたのが以下の4枚だったのです。

三浦大知「球体」
折坂悠太「平成」
cero「POLY LIFE MULTI SOUL」

そして、特に大絶賛の嵐だったのが、中村佳穂「AINOU」でした。

中村佳穂?という方にざっくりとしたプロフィールを。

中村佳穂は京都出身の女性シンガーソングライター。1992年生まれ。
京都精華大学在学中に本格的に音楽活動をスタート。
固定メンバーを決めずにソロ~デュオ~バンドと流動的な形態でライブ活動を展開。
全国各地で出会ったミュージシャンを引き入れては、セッションを行ってきた。
2016年に発表した1stアルバム「リピー塔がたつ」で高評価を獲得し、同年フジロックにも出演。
近年ではtofubeatsの前作「FANTASY CLUB」、group_inouのimaiソロ曲「Fly」や、Kan Sano「eye to eye」に参加。 
2018年11月、2ndアルバム「AINOU」は2018年を代表する名盤としてる絶賛を生み出す。

中村佳穂 - official site


名前はちらっと聴いてたんだけどな、そんなにいいのか・・・・
と、自分も遅ればせながら12月入ってから聴いたんだけど、鮮烈な傑作でした。
やってることはかなりのジャンル横断ごった煮状態なんだけど、ポップにわかりやすく纏められており、
フロアライクなビートが効いた曲から、自由闊達にラップをかます曲もあり、カテゴライズは無意味。
どこか土着的・呪術めいた空気もはらんでいます。
2016年フジロックでのJames Blakeのライヴが本作制作作業に大きく影響を及ぼした、
というエピソードも好き。ただの女性シンガーソングライターではございません。
「AINOU」は圧倒的なセンスを携えた天才音楽家の会心の一撃なのです。


そんな中村佳穂さんですが、活動を通じての初のミュージックビデオを作成。
1月9日にアルバム「AINOU」収録曲「きっとね!」のMVを公開しております。





MV公開日になんと



めったにつぶやかない米津玄師が一言「さいこー」。
これはかなり効いたようです。(youtubeのコメ欄には「米津から来ました」ばっかり)
さらにいきものがかりの水野良樹、tofubeats、くるり岸田繁、アジカンGotchも称賛。


関ジャムの恒例マイベスト10曲でも上位にランクイン。
この番組でピックアップされることで、良い意味で権威付けがなされてますね。
そういう特集になってきていると思う。関ジャムか、バズリズムか。
蔦谷さんが「きっとね!」を2位に。mabanuaさんが「you may they」を1位に。
他のセレクトも素晴らしかった。星野源の「POP VIRUS」に三浦大知、清竜人とか。



2019/2/6追加:ついに出ました。アルバム全曲トレイラーがyoutubeにアップ。
これでさらに「AINOU」の魅力が伝わりやすくなりますね。

さらに深く知るためのテキスト資料&レビュ等。

きっともう彼女を知る前には戻れない『AINOU/中村佳穂』ディスクレビュー(NIGHTCAP)

中村佳穂という「歌」の探求者。魂の震えに従う音楽家の半生 (CINRA)

中村佳穂『AINOU』はなぜ2018年を代表する名盤なのか? 柳樂光隆、佐藤文香、松永良平がクロス・レヴュー(MIKIKI) 

中村佳穂『AINOU』 
〈Sing To The Moon〉期のローラ・マヴーラを思い起こさせる注目のシンガー・ソングライター (Mikiki)



2016年にはフジロック(Avalon)にも出演していますが、今年はさらに大きなステージへのオファーがあるのでは。

「AINOU」への支持は、拡がるべき熱が拡がり、正しく届いているのを感じます。
とても健全だし、2018年の日本の音楽シーンの最大の収穫のひとつだと思う。





未聴の方はすぐに。