2015年9月10日木曜日
[Disc Review]201509
Fox&Kitten、9月からDisc Reviewはじめます。
このblogをやってるryuskey (@ryuskey)が、実際にきいたアルバムをレビューします。
とはいえ、月の購入数はそうでもないと思うので、1か月に5、6枚がいいとこだと思いますが〜。
もっとガツガツ聴き漁りたいんですけどね。
ここ最近「流し聴き」してしまう傾向があったので、
「もっとしっかりと作品と向き合おう!」という思いもあるのです。
・原則、2015年リリースの新譜のみをレビューします。
・アルバム/ミニアルバム/EPが対象。
・悩んだ末に、採点制を取り入れました。
アーティストが丹精込めて作り上げた作品をこきおろすのは好きではないので、
甘口になるとは思いますが、少しばかり批評・指摘はするというスタンスです。
・採点は10点満点です。 (ざっくりと5点が「普通」と考えて下さい)
2015年9月ぶん。
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201509 - No.04
CHVRCHES / Every Open Eye
グラスゴーのエレクトロ・ポップ・トリオ、CHVRCHESがきっかり2年で2ndアルバムをリリース。
基本的には前作を踏襲した内容で特に驚きの変化球も無いのだけど、Laurenちゃんの歌唱力が大幅に向上。
クリアな声質はそのままに、表現力と力強さを増したヴォーカルは聴き応えがあるし、
アルバム全体の印象としては楽曲も粒揃い、構成も巧み。前作における「Gun」のような
飛び抜けた楽曲はないけれど、しっかりまとまってて飽きさせることがない。
奇をてらわずに基礎体力の向上に励んだ結果、産み出された堅実な2ndと言えそう。
途中、Martinがヴォーカルを取る曲もあるけど、いい感じで箸休めになるのでコレ正解。
Release Date : 2015/09/25
Label : Glassnote / Hostess
Official Site : CHVRCHES Official Site / 日本特設サイト
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201509 - No.03
BATTLES / La Di Da Di
「La Di Da Di」は官能的だ。
寄せては返すエクスタシーの連続に目眩がする。質の良い最高のセックスってこんな感じ。
全編通して何度も聴くとよくわかる。終わらない快楽そのものだ。
NYのインストゥルメンタル・ロック・トリオ、BATTLESの3rdアルバム。
2nd「Gloss Drip」で目立っていたポップなボーカル曲は一切なしの完全インスト作。
ポップさ、キャッチーさを排除し、ストイックに怒濤のミニマル・ハードコアを展開。
初期EP群に近い原点回帰作とも言えるけど、経験を積み重ねたからこそ産みだされる説得力は、
やはり10年前とは比較にならない。理知的な暴力に飲み込まれる体験は想像をはるかに超える。
前作においては、制作の最終段階でTyondai Braxtonが脱退し、録音済の音源を全て廃棄。
混乱の中で力技でなんとか仕上げられたという逸話があったのだが、
このアルバムは最初から3人でじっくりと練り上げたということ。
これがコンディションMAXで挑んだ、現在のBATTLESによる録音物なのだ。
録音状態も最高に素晴らしいので、ぜひ良いスピーカーで爆音で聴くべき。
Release date : 2015/09/15
Label : Warp Records / Beat Records
Official Site : BATTLES Official Site / 日本特設サイト
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201509 - No.02
ヒロネちゃん / きみの死因になりたいな
20歳の鍵盤弾き語り女性シンガーソングライター・ヒロネちゃんによる初の全国流通盤。
大森靖子の影響下にあり、二階堂和美のつくりだす空気をまとい、矢野顕子の残した道に立つ。
ピアノと声のシンプルな構成で歌われる、膝を抱えた恋と青春の歌。
青春をかたちづくるもろもろを、やわらかく、ときに剥き出しの感情のままに綴る、
青くピュアな8篇の歌が胸を締めつける。間違いなく才能あるシンガーだ。
ただし・・・
歌い回し、歌詞の世界、ルックス、ファッション、空気感。
強い憧れからの影響がモロに出ており、インディーズ時代の大森靖子との類似はどうしても否定できない。
そういった部分も含めて、今作はちょっと様子見。次作以降が勝負だと思う。
願わくば、予想を大胆に裏切って欲しい。
Release Date : 2015/07/22
Label : 術ノ穴
Official Site : ヒロネちゃん Official Site
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201509 - No.01
清竜人25 / PROPOSE
アイドル6人全員俺の嫁。
男子の妄想を具現化したかのようなぶっ飛んだプロジェクト、清竜人25の初アルバム。
シンガーソングライター・清竜人自身がメンバー兼プロデューサーを務め、
竜人とその6人の妻たちがハーレム状態で歌い踊るというまさしく「前代未聞」のユニット。
まず発想からして天才的だし、呆気に取られながらも巻き込まれてしまった。
つんくがモー娘。に加入したり、ヤスタカがPerfumeに入る様なものです。掴みはオッケー。
清竜人の持ち前の動物的ファンクネスと、キュートなアイドル・ポップが濃厚に絡み合う、
革命的エンタテインメントの集大成となるアルバム、想像以上に凄まじかった!!
「電光石火のスケベ、スケベ!」
デビューシングル「Will♡You♡Marry♡Me?」、3rdシングル「Mr.PLAYBOY…♡」、
そして2ndシングル「A.B.Cじゃグッと来ない!!」といきなりシングル曲3連発で幕を開ける本作。
ドゥーワップからヒップホップ、電波ソングからお得意のミュージカル調まで、なんでもござれ、
アレンジもMOSAIC.WAVやダンス☆マンなどの多彩な人選で、いい意味で一貫性がない。
夫人たちのまだ発展途上ともいえる歌唱力も奏功し、謎の多幸感が爆発したハッピーな傑作に仕上がった。
そして♡が濫発される (読みにくい) 歌詞から浮かび上がって来るのは、
昔気質の「夫人たちをリードする男前の旦那様」というキャラクターを演じきった清竜人の姿。
「一夫多妻アイドル・プロジェクト」という奇抜なコンセプトを通して、
「男らしさ・甲斐性とはなんぞや?」ということにフォーカスが当てられた作品ともいえる。
惚れてまうやろ・・・・!!
Release Date : 2015/09/02
Label : TOY'S FACTORY
Official Site : 清竜人25 Official Site
Youtube Link :
▶Will♡You♡Marry♡Me?(MV)
▶A.B.Cじゃグッと来ない!! (MV)
▶Mr.PLAY BOY…♡ (MV)
▶ハードボイルドに愛してやるぜ♡ (MV)
▶ラブ♡ボクシング (Live)