2016年1月12日火曜日

[そして宇宙に還る]R.I.P. David Bowie 1947-2016




デヴィッド・ボウイが亡くなった。




本来、僕はボウイを語れるほど彼の音楽に触れてきたわけではない。
なので、彼に関する文章を書くかどうかはためらった。
世界中でたくさんの人が、彼と彼の生み出した音楽がいかに偉大だったかを語るだろう。
例えばニルヴァーナのカヴァーした「The Man Who Sold The World」などを通じて彼を知り、
そして幾つかのヒット曲のメロディを知っていた程度の人間は多くを語るべきではないのだが。

僕が心を打たれたのは、その人生の終わり方だった。




ここ最近は、リリースされたばかりの新作「★(Blackstar)」が本当に素晴らしかったのと、
ボウイに色濃く影響を受けたTHE YELLOW MONKEYの復活。などなど・・・・
で、自分の中での機運が高まっていたところでこの訃報。衝撃的だった。
昼飯を食いに行った定食屋で、スマホでtwitterを見て、飛び込んできたのは「ボウイ他界」を知らせるツイート。
時が止まった。

癌が発覚して18か月の闘病生活の末、1月10日に逝去したボウイ。
2013年にリリースした10年ぶりのアルバム「The Next Day」ののちに病が発覚したのだろう。
2014年、今思えば、死に際してこれまでの歩みを総括・整理しておくかのような、
オールタイム・ベストアルバム「Nothing has changed」をリリース。
そして2016年1月8日、69回目の誕生日に新作「★(Blackstar)」をリリース、その2日後。
アルバムを賞賛する声に満足するかのように旅立った。
闘病を明かすこともなく、何も知らない我々にとっては、突然のように。
出来すぎだよ。



これほどの人生の幕引きはかつて見たことがない。
たまらなくかっこいいのだ。























僕らはこれから、嫌というほどロック・スターの死に直面するんだ。
どこか浮世離れしていて、この世のものではないようなデヴィッド・ボウイでさえ死ぬ。

ポール・マッカートニー、ボブ・ディラン、ミック・ジャガー、パティ・スミスだって亡くなるんだ。
いつかそのニュースを耳にする日が、きっとやって来る。

さらに言えば、90年代のスターたち。
トム・ヨーク、リアム・ギャラガー、ボビー・ギレスピー、デーモン・アルバーンだって。
サーストン・ムーア、デイヴ・グロールも。
人は生を受けて、そしていつか死ぬ。当たり前の現実を突きつけられた。
身が縮む思いだ。


懸命に生きて、何を残すのか。僕個人で言えば、人生もたぶんそろそろ折り返しだ。
かたちは人それぞれだと思うけど、これからはそれを探す旅路になるのかもしれない。








ボウイが最後に遺したアルバム「★(Blackstar)」から2曲。

病院のベッドから「ここで見上げてみると、俺は天国にいる」と歌う「Lazarus」。
クローゼットに自ら入るラストシーンは棺桶のように見え、完全に自らの死を暗示している。

聞くところによると、ボウイはこのアルバムを「お別れの贈り物」として作ったそうだ。
最後の最後まで、凄まじい。










亡くなってその偉大さ、影響力をひしひしと感じている。
ああ、すごく大きな穴が空いたんだな。


謹んでご冥福をお祈り致します。







The Flaming Lipsもカヴァーしたこの曲が好きだよ。








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